Appleは最近、聴覚の健康に関する理解を深めるため、聴覚研究から得られた重要な知見を公開しました。同社はiPhoneとApple Watchで動作するResearchアプリ内でこの研究を開始しました。同社によると、このプロセスは従来の医学研究プロセスの民主化に貢献するとのことです。
Apple Hearing Studyは、iPhoneとApple Watchのユーザーが聴覚に関する研究に参加できるプログラムです。ユーザーは日常生活で使用しているテクノロジーに関するデータを共有するだけで済むため、参加は簡単です。Appleはミシガン大学公衆衛生大学院と協力し、この聴覚研究を実現しました。データは、世界保健機関(WHO)が開始した「Make Listening Safe」イニシアチブと共有されます。

WHOは、2050年までに7億人以上が重度の難聴に苦しむと予測しています。3月3日は「世界聴覚デー」として知られ、難聴問題の解決に向けたさらなる取り組みが求められています。
「難聴は様々な形で人に影響を与える可能性があります。私たちの目標は、意思決定者や一般の人々の間で、聴覚の健康の重要性についてより一層の関心を集めることです」と、世界保健機関(WHO)の任明輝事務局長補佐は述べています。「私たちは、人々が聴覚を守るために適切な措置を講じ、必要に応じてケアを受けることを奨励しています。」
「Apple Hearing Study開始から1年が経ち、参加者の日常的な騒音への曝露と、それらの曝露が聴力に与える影響について、重要な知見が得られました。この研究が全国規模で実施されるのは前例のないことです。研究が進むにつれ、新たな科学的知見を共有するとともに、聴覚の健康を改善・促進するための政策提言に役立てていきたいと考えています」と、ミシガン大学公衆衛生学部の環境健康科学准教授、リック・ナイツェル氏は述べています。「多くの人が自宅待機を余儀なくされているこのパンデミックの最中でも、参加者の25%が依然として高い環境音への曝露を経験しています。この研究結果は、潜在的に有害な曝露への理解を深め、人々が積極的に聴力を守るための方法を見つけるのに役立つでしょう。」